お知らせ 2023.06.21

機能有機化学研究室の中上さんが「優秀ポスター賞」を受賞しました。

2023年6月1日~2日に開催された、第49回生体分子科学討論会において、機能有機化学研究室D1の中上敦貴さんが「優秀ポスター賞」を受賞しました。おめでとうございます!

ポルフィリン鉄錯体は、生体内ではヘムとして、酸素の運搬や貯蔵、または電子を伝達するための重要な物質(補酵素)です。今回、化学的に合成したポルフィリン鉄(III)錯体をシクロデキストリンと混合して動物体内に投与することで、ポルフィリン鉄(III)錯体が体内を循環中に還元されて、鉄(II)錯体として尿中に排泄される現象を発見しました。その還元メカニズムについて、詳細な検討を行った結果、生体内に投与されたポルフィリン鉄(III)錯体は、ヘモグロビンに含まれるヘムと同様に、血液の赤血球膜内に含まれる還元酵素によって、効率的に還元される可能性が示唆されました。本研究の成果は、血液中で長時間安定に酸素を運搬することのできる人工酸素運搬体(人工ヘモグロビン)の設計などに活かされます。 

関連情報
第49回生体分子科学討論会https://sites.google.com/view/biomol49/
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